背水の陣で人間はいつも以上の能力を発揮出来るのか?検証してみた話
「極限状態になると、人は能力を発揮するのか?」
という記事を見て、忘れかけていた遠い記憶を思い出したので記しておく。
私の知人にツヨシ君という人間が居る。SMAPの草なぎ君みたいな、ちょっとだけ天然入ってるけど凄く良いヤツ。酔っ払って地が出てきたりするとちょっとだけメンドくさくなる。でも基本的に良いヤツだ。
ある日のこと。当時のバイト先でツヨシ君から興奮気味に話しかけられた。
「はる、オレすっげぇこと発見したぞ!」
「え?なによ?」
「バイト中にさ、トイレに行きたくなることあるだろ?」
「まぁ、そりゃあ、たまにはな」
「それをギリギリまで我慢するんだよ、そうするとな…」
「そうすると?」
「作業の効率がメッチャ上がってはかどるんだよ!これ、背水の陣ってやつだろ!?お前もやってみ?」
「お、おう」
背水の陣…合ってるような、そうでもないような、むしろどうでも良いような。そんな会話をしたものの、その時は何事もなく過ぎていった。
それから一ヶ月くらい後のこと。
私はバイト先でミーティングに参加していたのだが、その日は想像以上に長引いてしまい開始から既に1時間以上経過していた。そして困ったことに下腹部あたりがムズムズとしてきたのである。
「(うう…トイレに行きたい…でもあとちょっとで終わるだろう…)」
この判断は甘かった。非常に甘過ぎた。
5分…
10分…
15分…
30分たってもまだまだ終わりそうにもない。
ここではたと閃いた。
そうか、今こそ背水の陣…!
今のオレならいつも以上に集中してミーティングの内容を脳にインプット出来るはずだ!
ツヨシ君、ありがとう!
よし、集中、集中…
(モジモジ)
集中…心頭滅却すれば火もまた涼し…
(モジモジモジモジ)
しゅうちゅう…アブラ…カタブラ…
(モジモジモジモジモジモジ)
しゅ…う…ちゅ…南無…阿弥陀仏…
(モジモジモジモジモジモジモジモジ)
しゅ…
集中出来るかいこんなもーん!(つД`)
結局、なんとかかんとかミーティング終了まで耐え、あぶら汗を流しながらトイレに駆け込んだのでありました。
最初から素直に
「すみません、ちょっと席を外します」
と言えれば良かったのに、言えなかった若かりし日の私。当時の店長さん、ごめんなさい。この件以外では割と真面目にやっていたと思うので許して下さい。
本日の教訓:
背水の陣はケースバイケースで用いるべし。水攻めに合うと勝てないゾ!