家づくりを本気で考えはじめた30代パパの悩みを解決する 〜元大工の工務店社長が語る「家づくり43の鉄則」〜
高校生で大工の世界に足を踏み入れ数年で棟梁となり、33歳で独立して地域密着型工務店の社長。そんな叩き上げバリバリの経歴を持つ著者、細田俊美氏が現場サイドの目線からズバッと本音で「家づくり43の鉄則」を語ってくれます。
パパの月収25万円でも、家族が幸せになるマイホームの建て方 家づくりとハワイとルイ・ヴィトン
私がこの本に出会ったのは本格的に家づくりを検討しはじめた2013年末頃のこと。
「マイホーム実現に向けて動き出そう!」と一念発起したもののどこから手をつければ良いのか分からず、もやもやした状況が続いていました。
- ハウスメーカーはどこを選んだら良いのか
- 住宅ローンはどの銀行でどのようなプランで借りたら良いのか
- 月々の返済を考えるといくらまでなら借りても大丈夫なのか
- 間取りはどう考えたら良いのか
- 地震対策についてはどこまで考えたら良いのか
- 結局、家づくりにはトータルでいくらかかるのか
等など。
何が正解なのか分からないのは当然のこと、自分なりの正解にたどり着くための大まかな道しるべすら見つからず途方に暮れている状況でした。雑誌やネットで情報を収集してもどれも当たり障りの無いうわべだけのことを言っているような気がして、しっくり来ませんでした。
そんな状況の中、本書を書店で見かけました。
最初は「ハワイとルイヴィトン?ちょっと変わったタイトルだな?」と何気なく手にとったのですが、いきなり度肝を抜かれたのが
「チャラチャラした気分で来た客には何故家を建てる必要があるのか意思を確認する。そして回答次第によってはその場でお引き取り頂くこともある」
というくだり。ハウスメーカーの営業でそんな話、後にも先にも聞いたことがありません。
ただただ、細田氏はもの凄く真剣なのです。自分達の会社が儲かれば良いのではなく「家づくりを通してお客様が不幸になるようなことは決してあってはならない」と強い信念を持って仕事をしているのだな、と文字を読むだけでもひしひしと感じました。
本書を読み進めるにつれて、それまでずっと感じていたもやもやした霧がすうっと晴れていった気がしました。もちろん、客を追い返すような癖の強い(笑)著者の言葉ですから、100%同意出来る内容ばかりではありませんでしたが、家づくり初心者の自分には「そういう考え方をしていけば良いのか」という発見がたくさんありました。
例えば、昨今誰もが不安に感じている地震への対策について、本書は以下のように述べています。
「大地震が来たなら、どんな建物でもどこかいたみますよ」
(中略)
「でもうちは、万が一壊れたとしても命だけは助かる家づくりを心がけています」
(中略)
「私たちはそれをテーマに家づくりをしてます。でも、大地震が来てもいたまない家づくりというのは、不可能です。そこまで心配するのなら家を建てようなどとは考えないほうがいいでしょう」
お分かりのように、口先だけの気休めは言いません。
事実は事実としてお伝えしています。
("chapter1 「完成見学会」に行こう!" より抜粋)
地震がきてもいたまない家などない。けれど命だけは助かる家づくりなら出来る。なんとも実直な言葉ですよね。 他にも紹介したいエピソードがたくさんあるのですが、あまり書き過ぎてもいけませんので、もうひとつだけ。本書の冒頭部分を引用させて頂きます。
お客様に本当に喜んでいただける家づくりとは何か?
私の理想は、お客様が家を建て、たまには家族でハワイにも行き、ヴィトンのバッグなどを買って帰られるような生活を送ることです。
(中略)
新居が完成すると、インテリアやエクステリアを工夫しながら、家(ハウス)を自分流に色づけして行きます。家の色づけをするだけで、楽しい時間が過ぎていくわけです。
子どもが生まれれば、子ども部屋をメルヘンの世界で演出してあげ、その子が成長すれば家族みんなで、芝生の庭でバーベキュー。子どもの嬌声と夫婦の笑い声。こうして、屋根と壁と床板に囲まれただけだった家(ハウス)は、自分たちで培った家庭(ホーム)へと進化していくわけです。
(”はじめに”より抜粋)
「ハウス」が「ホーム」に進化する。この言葉に感銘を受けました。家づくりという分野においては間違いなく私の人生を大きく変えた一冊です。私と同じように家づくりに迷っている方の道しるべになってくれることを願います。
それでは、良い家づくりを。