「結婚式をするかしないか」トピックから見るはてなの強みとは
トピック「結婚式」について
結婚式をするかしないか---。
「そんなもん当人同士とせいぜい両親までの話だから好きにすりゃいいじゃん」
という身も蓋もない意見がリアル・ネット問わず何度となく飛び交っても、ひとまず自分なりに咀嚼して意思表示を行う。それがはてな村民のライフスタイルだ。
私個人としては自分がこれまでお世話になった方達が一同に介する日は結婚式を除けばあとは葬式くらいしか無いので何かしらはやったほうが良いんじゃないかなぁと思う。葬式の時は自分は死んでしまっているから皆と話せないしね。
経緯
さて。本件をきっかけにはてなの強みを再認識したので少し述べたい。よく読まれている人気エントリは一通り目を通したつもりだが発端は以下の文人商売のしっきーさんのエントリと思われる。
（誤解のないように先に述べておくと、これはしっきーさんには全く非はなくて運営の問題なのだが）まず個人的に思うのはトピックの立て方として「結婚式をするかしないか」という切り分けが雑だなぁと。
結婚式と一口に言っても一般的な定義でいえば
- 式
- 披露宴
- 二次会
- 三次会以降
と分かれる。本来オフィシャルなのは披露宴までなのだが二次会までは仕事関係の人を呼んだりすることも多い。ちなみに上記の中で一番お金がかかるのは実は式ではなく披露宴。披露宴は酒や料理が振舞われお色直しに余興にタイやヒラメが舞い踊ったりしてこの世のものとは思えぬ程楽しいひと時を過ごすためその分マネーも必要だ。
「ブライダル業界にぼったくられるのはイヤ！」というの人は式だけ挙げて披露宴はパスするという手もありだし、
「大人数のゲストを呼んでその上ひな壇なんかに座りたくない！」という人は二次会以降のアットホームな部分だけやるのも良いだろう。
元々０か１かで語れるはずもないトピックをあたかもそうとれるような文言に仕立て上げて
「とりあえずなんかバズってるエントリあるからトピックにしちゃえ」
的なノリの運営であることは否めない。それとトピックの下にある補足コメントで、ビアンカかフローラかっていうのはやめてくれ。フローラは選ばれなくてもヘンリーが居るからいいけどビアンカは選ばれないと凄く寂しい生涯を送ることになるんだからな？トラウマになっちゃうぞ！
失礼。エキサイトして少々脱線してしまった。話を戻そう。
はてなの強み「流れ」
はてなの特徴としてエントリ全体に「流れ」がある。
それも運営から与えられたトピックではなくボトムアップで自然発生的にネタが生まれてくる。それを運営が見つけてわかりやすい看板としてトピックを立てる。この一連の流れが単発ではなく断続的に発生する。これは他のブログサービスではなかなか見られないことだと思う（ソースは数年前の自分の体験談なのでやや心許ないが）。
こういった手法は行き過ぎると内輪ノリ、楽屋落ち的なものばかりになってしまう恐れのある諸刃の剣なのだが、そこはさすがのはてな村民。基本的には皆スルースキルが高いため基本的には我関せずの姿勢を貫き、どうしても気になった時だけ怒濤の勢いでエントリを起こして自説をつらつらと展開する。全体の意見に沿っていなくても私はこう思うんだとしっかりと主張する。そしてひとつの流れが収束すればまた通常営業へと戻る。このあたりのバランス感覚は見事だと思う。
はてなの強み「ブコメ」
さらにもうひとつの特徴としてはてなブックマークとの親和性が高いことが挙げられる。はてブの良いところはブコメが本文の弱い部分を補足してくれることだ。
例えば、私が好きな音楽についてのエントリを半ば勢いで書いたとする。勢いで書いたため年代や前後関係に考慮漏れがあって75点くらいの出来栄えだ。だが、目利きのはてなー達はしっかりと弱い部分を突いて、コメントを残していく。それが積み上がっていくと本来75点だったのが80点、80点が85点と完成度が上がっていくのだ。ここまで来るとブコメを含めてひとつのエントリと見なしたほうが良い気がしてくる。
流れとブコメを作っているのはユーザ
「流れ」と「ブコメ」。これを作り出しているのはユーザだ。ここにはてなの真骨頂があると思う。今日のはてな村の繁栄は運営ではなく村民によって支えられているのである。
こういうことを言うと
「繁栄？や、自分そういうの関係ないし興味無いんで」
とデフォルトで斜に構えてるような一癖も二癖もある人ばかりなのでリアルで付き合うと結構…いやかなり面倒な人の集まりなのだろうが。
上記から、はてな運営は過度に村民に干渉せず彼らが過ごしやすい環境を整える。放置しておけばうまく行くのだ。
…あれ？じゃあ雑なトピ立てって指摘したけどそれでOKだったってこと？こんなエントリをガリガリ書いてる私も運営の手のひらで踊らされているだけなのかもしれない。
