私のちオレときどき僕

年収400万の家づくりノート、子育て、想うことなど。日々を綴ります。

30代部長と50代係長。二人が教えてくれた叱り方 3つのコツ

 「何回言ったら分かるんだ!」

 「やる気が無いならオレがやる!もう帰れ!」
 
今日も職場に部長の怒号が響き渡る。
 
 「はいっ…!」
 「いえ、決してそのような…」
 
と冷や汗をぬぐいながら必死に弁明をする係長。以前お世話になっていた職場でのワンシーン。こんなやりとりが毎日のように行われていた。
 

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部長はとても有能なビジネスパーソン。頭が切れ、作業をすれば手は速く、喋らせたりプレゼンをさせても天下一品。30代前半にしてそのポストまで登りつめた。その会社としては異例のスピード出世である。
 
一方の係長は真面目で部下にも優しいのだが若干抜けたところがあった。年齢のためか新しいことにはなかなか対応出来ない、うだつのあがらない50代。
 
部長の言うことはもっともなのだが「叱るにしてももう少しなんとかならないものかな」と自分は思っていた。当時は何か言えるような立場でも無かったので黙って聴いていたのだが、今振り返ってみれば反面教師として随分と勉強をさせてもらったと思う。部長と係長のやりとりから、自分のヒントとなっているポイントを3つご紹介したい。
  

1.皆の前で叱責する必要はあるのか?

人間誰しもミスをする。それは仕方の無いことだ。また、ミスが続けば叱るほうもフラストレーションがたまりつい感情的になってしまう。これもまた人間であるがゆえに仕方が無い。しかし、叱る前にひと呼吸おいて考えて欲しい。

 

  それを公衆の面前で行う必要があるのか?

  場を改めてミーティングルームや近くの喫茶店でも良いのではないか?

 

公衆の面前で叱責して良いのは、ひとつのミスをモデルケースとして取り上げ、全体にメッセージを伝えたい時だけである。この部長のようにミスをすれば何でもかんでもフロア全体に響く大声でどなられたのでは、皆が萎縮してしまう。新入社員などチビってしまって仕事にならないだろう。

 

2.短く簡潔に伝えているか?

部長は感情的になるとつい

 

 「そういえばこの前もミスがあったよな。大体、お前はだらしないんだ!先月も...」

 

と脱線して余計なことまで言ってしまう傾向にあった。一度爆発するとお説教タイムが長い。部下のミスをフォローするという本来の目的から外れているし、お説教の間はお互いの仕事の手もとまってしまう。

 

  お説教は短く簡潔に。

 

いかなる理由にせよ長々とやられるとフロアの空気が悪くなるし、新入社員などはついついトイレにいくタイミングを逃してお漏らししてしまうだろう。

 

3.「なんでこんなことが出来ないんだ!」「いつまでかかってるんだ!」は禁句

部長はよく

 

 「なんでこんな簡単なことが1日かけて出来ないんだ!オレなら1時間で出来るぞ!」

 

と言っていた。事実、部長なら出来るだろう。しかし人間はそれぞれ違う生き物。作業のスピードもクオリティも違う。そのバラツキを補うのがチームなのである。

そもそも「なんで出来ないんだ!」発言の原因をたどっていけば部下のスキルからみたスケジュール立案に無理があったということで、それを見抜けなかった上司の責任でもある。「何故スケジューリングミスを見抜けなかったのか」という巨大ブーメランなのだ。フロアの隅っこのほうで耳をダンボにして聴いている新人も「これくらいのことは1時間で出来ないといけないんだ、大変なところに来てしまったな」とガクガクブルブルして失禁してしまうだろう。

 

まとめ

いかがだっただろうか。部長ほど極端ではないにせよ、誰しもプチ部長になってしまうような場面があるのではないだろうか?人のふりみて我がふり直せ。気をつけたいものである。最後に、私の経験則だけでは若干心もとない気がするので、名言のパワーを借りて締めさせて頂く。

 

  言って良い事、悪い事。

  言って良い時、悪い時。

  言って良い人、悪い人。

  (田中角栄氏)