私のちオレときどき僕

年収400万の家づくりノート、子育て、想うことなど。日々を綴ります。

本当にあったやるせない話2「フジファブリックとか常識っすよwww」

とある男の話。

社員旅行の車中にて。隣に座った新入社員の小出水君(以下コイちゃん)に話しかけられた。

「先輩はどんな音楽が好きなんですか?」

なかなか回答に困る質問だ。

男は音楽好きだったので大抵の人と話を合わせる自信はあった。しかしコイちゃんとは10歳くらい年齢差がある。コイちゃんがどのジャンルが好きで、どの程度詳しいか把握していないと会話の進め方が難しい。

「なんでも聴くけど。コイちゃんはどんなのが好きなの?」

「僕はミスチル好きっす!洋楽とかあまり分からないですけど、ワンダイレクションとか聴きます!」

あー。はいはいはい。
そのパターンね。

「そうなんだ。オレは斉藤和義とか好きだよ」

「あぁーいいっすねー!」

とまぁそんな具合に合わせていたら、話の流れで

「お互いに自分が最高と思う一曲を選んで聴かせ合おう」

ということになってしまった。なんだこの美味しんぼ対決。

しかしこれはまた難しい。いくらなんでもいきなりロングシーズン40分とかかけたら長すぎだし引くよなぁ。などと考えていたらコイちゃんから披露。

選曲はピロウズだった。
ピロウズはそれなりにかじっているつもりだったが知らない曲だった。

「やー、先輩の知らない曲を紹介出来ると嬉しいっすね!」

と得意満面のコイちゃん。

今度は男の番だ。色々悩んだ末に、男はフジファブリック「若者のすべて」をチョイス。やはりどの世代にも通じる普遍的な名曲と言えばこれであろう。

ターンターンターンターンと、イントロがかかった瞬間、コイちゃんは食い気味に

「あっフジファブリックじゃないですかー!当然知ってますよー!常識じゃないですかー!ほら、僕のiPhoneライブラリにも入ってますよ、ほらほら」

と新型iPhoneの綺麗な大画面をシュッシュッと滑らかにスクロールしながら見せてくれた。

「あぁ…これは分かるんだね…。夏になると毎年聴きたくなるんだ…」

と返すのが精一杯の男。

寄せに行った結果、なんだか物凄くバカにされたような気がしてしまったのは男の自意識過剰な被害妄想なのだろうか。


もう音楽の話なんてしないなんて言わないよ絶対。


(おしまい)


2014/11/20 追記)
記事中に登場する曲名の記載に誤りがありましたので修正しました。
  若者の全て ×
  若者のすべて ○
大変失礼致しました。