泣き虫。変わりたかった僕、変われなかった僕
僕は、泣いていた。
僕は、昔から泣き虫で。
今も、ちっとも変わらない。
*
半月ほど前に僕と僕の初めての部下の話を書いた。
もう随分時間が経っていた昔の事だから、冷静に当時を振り返って書けるだろうと思って書き始めた。
でも、ダメだった。
途中からどんどん辛くなって、書くべきこともボロボロこぼれ落ちて。
最後まで書ききったというより、なんとか不時着したという具合だった。
「この人、自分に酔ってるよな」
というコメントを頂いた。
言い得て妙だ。
僕は酔っていた。
ただ、その酔いはナルシズムではなくて。
悪い風に当てられた、ひどい悪酔いだった。
*
僕は、変わりたかった。
でも、結局変われなかったのだと思う。
あの時ほどひどいことはもう起こさなかったし、起きなかったけれど、結果としてそれからも何人もの人間が傷ついて辞めていった。
僕に誰かを救うことなんて出来なかった。
最初からそんなことは出来るはずもなかったのだ。
ある時、誰かが言った。
「xxx君がそうやって甘やかしているから、部下が育たないんだよ」
それもまた真実だ。
僕はぽっかりと穴があいたような虚無感に教われた。
それからは惰性で飛び続けているだけだった。
手がけていたプロジェクトに区切りがついた時、僕は会社を辞めようと思った。
*
今日、上司にそのことを伝えた。
街のコーヒーショップで周囲もはばからず年甲斐もなく泣き崩れながら伝えた。
上司は
「気持ちは分かったが、また改めて話そう」
と言った。
「オレは責任があるから逃げない」
とも言った。
逃げる?何から?どこから?辞めることは逃げることなのか?
お前に何が分かるんだと思った。
もう話す事なんて無いと思った。
けれどもう何も言う気力も無かった。
言葉を紡ごうとするだけで、震えて、涙がこぼれていた。
話すなんて、普段、簡単に出来ることが、出来なかった。
隣のテーブルで女子高生2人組が楽しそうにおしゃべりしていた。
こんなに近いのに、自分の住む世界とは違う、キラキラした映画の中の世界みたいだな、と思った。
*
これからどうなるかは分からない。
正式に辞表を出したわけでもないので、いつ辞めるかも決まっていない。
気持ちをリアルでも吐き出せたことで少しだけすっきりしたけれど。
最後に、前回の記事で気分を害された方がいらっしゃったようで、大変申し訳ありませんでした。
全て私の未熟さゆえです。
落ち着くまでしばらくブログのほうも休ませて頂きます。
ありがとうございました。
(終)